様々な専門職が存在する中で、介護職というのはとても大変な仕事です。ただ何人かのお年寄りの面倒を見るだけという単純なものではなく、その人それぞれの特性を理解した上で接し方を考える必要があります。また、ご家族から委ねられた大切な命であるという認識を常に抱いて、本人と向き合っていかなければならないのです。
年老いていくということに一番ショックを受けているのは介護を受ける本人です。今まで自分でできていたことができなくなったことで不甲斐さを感じたり、認知症を患い、人のことや自分のことを忘れていくようになったりと、自分の能力がどんどん失われていく恐怖を抱いている人は少なくはありません。そんな高齢者は、自分で自分のことができなくなっていくため、お風呂に入れてあげたり着替えを手伝ったりという補助がどうしても必要になります。やり方を間違えると簡単に骨が折れてしまう人もいるため、お年寄りの生活を補助する立場には、必ず専門の知識が必要です。さらに、お年寄りの中には、同じ施設の利用者にいじめられたと言い出す人や、自分の私物を盗まれたなどの被害妄想を抱き始める人もいるため、何かとトラブルが絶えないということもあります。
上記のようなことから、高齢者の生活を支える介護の仕事は、体力と精神力どちらも必要になるのです。やってみようという好奇心だけでは務まりません。しかし、大変な仕事であるが故に、施設を利用する方や、そのご家族の方々に「ありがとう」と言ってもらえたときは非常にやりがいを感じることができるのです。